Le CharmeYJ白雪の藤丸にはまって作ってしまったwebsiteです

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7th August, 2014
Short Story/
Fujimaru, the New Hachiohji Head of a ward, has stationed !/藤丸新八王子区長、着任!をup
1st August, 2014
Five Years After the Battle in Shinjuku 3-4をup
4th July, 2014 サイト開設



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Five Years After the Battle in Shinjuku 4


ケンがPACOM重鎮への挨拶を自分の父親も含めて終わらせて、用もなくなると、
「さて、ゆっくりディナーでも食べるか。」
ともう一度食事のプレートを白雪と一緒に選ぼうと、ソフトドリンクを彼女のために、その辺のウェイターから取って、渡したら、彼女が口を開いた。
「でも、けん、あのね。」
彼がくれたフレッシュジュースを一口飲んで言葉を続けた。
「プロジェクトどわーふってなに?」
ケンの顔が一瞬真剣になって、ちょっと話をしよう、と彼女を壁際の椅子に手を取って導いて、そこに座らせる。
「白雪ちゃん、それは日本語訳すると小人計画だ。」
しかも、あいつらは俺が居る前ではそんな事言ってなかったはずだが、と自分の記憶を反芻する。
「あれは、、、、閣下が、いや、故黒雪都知事が進めていた計画で、もう。。。」
「あのね、わかんないんだけど、プロジェクトどわーふはもともと自分たちの計画だったって、あの人たちが。。。」
白雪がそれ以上言おうというのを、しっ、と止めると、藤丸がケンの所に急いでいる事を気取られないように、近づいてくる。
「ケン、あのさ、Project dwarfって。」
「今その話を、白雪ちゃんとしていた所だ。」
藤丸が、自分が取り巻きの婦人から聞いたその断片の話をケンに伝える。
「それは、誰から?」
「Mrs. Navy.」
藤丸が途中で退座した事を詫びるように、ダークブルーの高額なアクセサリーを身に纏った彼女に向かって笑顔を向け、ケンも彼女に敬礼した。
何でそんな話を聞けたのか、と藤丸曰くMrs. Navyの様子をさりげなく観察すると、彼の相手にしてはかなり年上の、上品な様子が離れても伺える女性らしい、成人している男としては普通に目が離せない女性だった。
ただ、ケンはその素性を知っているので、
「彼女はPACOMの海軍トップの奥方だ。情報源としては固いな。藤丸よくやった。」
と彼に言って褒めたcyber。
ただ・・・、と藤丸は少し言葉が淀んだ。
「なんかあの人、楽しくオレと話したいだけだったみたいだからよ。ちょっと、悪い気がするだけでさ。」
「なら、彼女が満足するまで、相手してやれ。」
OK、と言って、藤丸は白雪とケンの元から離れて、Mrs. Navyの元に戻る。
「さて、白雪ちゃん。俺たちはこの限られた時間のなかで、そのProjectの情報をできるだけ掴まないとな。」
うん、と壁際の椅子でやる気を出した彼女はいいのだが、どうやってあと数時間しかないこの場で効率的に情報収集するかケンは考える。
情報源としては、PACOM重鎮が一番だが、この場でストレートに情報を開示してくれる程甘い連中ではない。
ーと、すると、その2番手以下・・・
それなら、さっき白雪で遊ばせた、少佐の彼を使うのがいいだろう。
「君から見て、最初に話した若めの軍人は、信頼できそうか?」
白雪が、記憶をたぐり寄せてケンの質問に答えようと、目を上に向ける。
ぱっと、その映像が浮かんだようで、
「たぶん、大ジョブ。あの人、けんの事好き。」
にこっと、ケンに笑いかけて白雪は、ぴょん、と椅子から立つ。
「じゃ、取りあえずその少佐殿から話しかけてみるか。」
「しょーさ?」
「軍の階級の一つだよ。」
とまた彼女の手を取って、古馴染みの友人のところへケンは向かったのだった。


ーでも、結局あの後大した事は、分かんなかったんだよな。
Project Dwarfという不穏な計画が未だ立ち消えていないのは、伺い知れたが、その中身と東京への影響は、となると材料が少なすぎて、想像の域を出ない。
それでも、黒雪が実行した、日本列島消滅と東京実験場のシナリオからは、かなり不穏当な計画に違いない事は推測でき、元近衛の赤銅泉や、天城屋からはすぐに米軍に計画開示の要求を申し入れる提案まで出ていたのだ。
しかし、慎重な中ノ下や、米軍の現状を一番分かっているケンからは、材料不足のまま行動を起こすと、交渉相手に足下をそのまますくわれるという反対意見が出て。。。
結局この3年近くの間、地道な情報収集でそのグリムロック関連と思われるその計画の全容把握を、東京サイドの極秘ミッションとして、宗一や尊と自分が中心に続けていたのだ。
今回の米国行きも、その延長上にあるわけで。
ーもうちょっと、早く集まると思ってたんだけどな。
一見オープンな気質と見られる米国人の中枢の情報は、以外とセキュリティが固く、宗一と尊は、東京で残っていた情報を整理するのと、毒林檎の正体を解明する役割を負い、結局コミュニケーションが一番円滑にできる自分が、対米軍の情報収集をする事になったのだ。
既にケンと一緒に日本にいながら、米軍の動きを探るのも、もう限界に来ていた。
ケンからは、もうPACOMにも顔を覚えられたから、USに行って仕事できるぞ、と言われてたところだ。
ーでも、どっから手をつけていいか、全然わかんねぇんだよなー
取りあえず、ケンのおやっさんにお礼言っとくか、といつもの端末でさっきかけた番号をダイヤルする。
“Hi Fuji, what’s up next?”
ケン’s Dadがすぐに出て、聞いてくる。
“Dad, I am calling that I would like to say a lots of thank you for your action for me. And if you don’t mind, could I ask you a favor? I would like to visit... “
その場の思いつきで、今いるところから近いウェストポイントのミリタリーアカデミーへの訪問ができるか聞いてみる。
以外にもすぐ手配してやる、というDadの言葉に、こんなに安請け合いするなんて、あそこには毒林檎に関する秘密はねぇかもしれない、と自分の軽はずみな行動と思いつきを反省した。
ーでも、広い米国内、行動してみないと、わかんねぇよな。
それよりも、うちに一回ディナーに来なさい、my wifeもcute boy に会えるのを楽しみにしている、というDadの言葉に、そうですね、すぐにでも、と返した。
ーもう、boyじゃねぇよ。
と電話を切った後に、ケン‘s Dadの言葉に軽く反論する。
もう、成人してるし,酒も飲めるし、保護者もいらねぇしな、とそれまでごろんと横たわっていたホテルの部屋のシングルルームに備え付けのセミダブルベッドから身を起こす。
ーとりあえず、行動して前に進まねぇと、何もわからねぇ。
そのためには、休息だと、シャワーを浴びて時差の疲れを取る為に、藤丸は寛ごうと端末の通常モードを切って、緊急回線モードに切り替えた。


「あっ、藤丸端末切った。」
尊が、日本では早朝の今、彼との連絡が途絶えたのに声を上げた。
「しょうがない。あっちは真夜中だ。しかも、あいつはアメリカに着いたばっかだろ。」
宗一が、自分の事しか考えていない尊に、教えるように気付かせる。
「あははー、そっかー。日本じゃなかったんだよな。」
いつもの、グリムロック対策室のメンバーにいる藤丸が米国に行って、今日は尊と宗一しかそこにいない。
「尊、藤丸がアメリカに行って、がんばってるんだから、俺たちもそれなりに成果ださないとならんぞ。」
はっぱをかけるように、PCの端末を一端切って、尊に自分のすべき事を思い出させようとする。
「そうだった!でも、オレ、なんかこの、腕に入っている毒林檎ってよくわかんねーんだよなー。」
と明るく尊が言って来る。
「白雪には、きいて見たのか?」
これまでに何度と繰り返された、やりとりをまた始めた。
「うん、藤丸が行くって言った時にまた。でも、だんだん白雪の記憶薄れている気がする。」
そうか、、、と宗一はこのチームのヘッドとして、何をすべきか考える。
ー取りあえず、最優先事項は、藤丸の情報収集がうまく行く事のサポートだな。でも、尊も前に進めないと・・・・
今後の方向を再設定した宗一が、
「お前、茜にグリムロックについてもう一回聞いてこい。」
と指示を出した。
オレはちょっとは藤丸を手伝ってやれる事考える、と尊に言い、えー、また別行動ー、と言いながら、尊はいつもの、間延びした雰囲気に戻り茜に会いに行ったのだ



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